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| イビジェカフェトップ > ターザンカフェトップ > 煩悩菩薩日記[2008年05月01日(木)] | ||||
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甘えん坊
ついに5月に突入した。でも今、世の中はゴールデンウィーク中なのだ。私にとっては、GWよりも5月になったことの方が大きい。 時間の推移を確認できるからだ。ボクらはすべて時間という懐(ふところ)に抱かれた形で存在している。 天気が変わった。夏日(25度以上)が急に曇り空に移行。夕方から夜にかけて雨が降りそうな気配だった。 何から書いたらいいのか? ペンが進まない。戸惑いがある。やっぱり、ちょっと書き過ぎた。怒りをそのまま日記にぶつけてしまった。 夢香姫が疲れのせいで3時間、私の部屋でぐたっと寝てしまったことについてである。しかしよく考えたら、すねているだけ。だだをこねているだけ。 62歳の大人としては、あんなに格好悪いことはない。その感情を私は恥も外聞もなくさらけ出しているのだ。 ふと冷静になった時、私は自分に対して大いに反省をした。ただ、しかしである。脳の中にたまったマイナスな感情は、一種の有害物質として吐き出す必要がある。 そこを大人だからといってガマンしたり抑えたりすると、逆に体に悪い。心にも悪い。すぐに“毒抜き”しろなのだ。 吐き出して毒抜きをするとすっきりする。その結果、ぐずぐずしていた気持ちが一気に浄化される。くもっていた心の鏡が、透明感100パーセントに復活する。 名古屋の友人、原田さんなんか、そんな私の心を読みきっている。日記が更新されると、その感想をメールで送ってきた。 それもたったひと言「甘えん坊さん」である。そうか、みすかされたか。一巻の終わりである。 まったく格好悪いよなあ。ずっと続いていた怒りの感情が、一転して罪の意識に変化していった。ホント、私は実にいい加減な男というか、調子がいい。穴があったらはいりたい気分だ。 午後6時前、JR飯田橋駅西口から歩いて1、2分のところにあるデニーズで彼女と会った。 私が先に到着してマンゴを注文。目の前に現れた彼女を見てびっくりした。もちろん会社帰りである。 上はニットとカーディガンで、いずれも真っ赤な色。下はベージュのスカート。それより何よりも彼女の表情と雰囲気だ。 べ、べ、別人だあ。おだやか、そしてにこやか。どこから見ても限りなくやさしい顔。な、な、なんだよこれは。思わず私は「奇麗だね」と言ってしまう。 それから10時50分頃、JR浅草橋のホームで別れるまで、合計5回は“きれいだ”と言ったはずである。 夜中の1時56分、日記がFAXで送られてきた。電話がかかってくる。私は「今日の君は全然、違っていたね?」と聞いてみた。 違っていたのは私もそうだ。一度も手を握り合わなかったし、いつもの口付けもしなかった。その時、返ってきた言葉がすごかった。 「わたしは母性になるしかないでしょう!」「え、ええ・・・」「すべてあなたを黙らせるためよ・・・」「・・・・・」 ガチョーン。いや、アチャーだ。ショ、ショ、ショックだあ。そうか、そうだったのか。彼女の方が100倍大人ではないか。 普通、人間はトラブルと、売り言葉に買い言葉になる。そこを彼女は逆転させた。ものすごく賢い女性だ。 いろんな面を持ち合わせている。とにかく油断できない。あらためてそのことを思い知った。いや、痛感した。 それにしても“黙らせるため”という言葉を、なにげなくポロッというところが怖ろしい。 この日、私たちはある種、腫れ物にさわるような形でお互いの感情をコミュニケーションしていた。 少し距離をおいて接しあった。それだけ内心はデリケートになっていたのだ。そこがまたよかったのではないだろうか。 「本心」と「本音」。そこに私的な「感情」と客観的な「理性」が入りまじって、心が微妙に揺れ動いた。 まあ、他人からすると最後はそれもみんな惚気(のろけ)に見えてしまうのだろう。その通り。これはバージョンを変えた惚気である。 そう考えるしかない。人を愛していると時々、感情世界の中で不純物のガスがたまってくることがある。 それもまた、愛し合っていることの証明と思うしかない。愛はいつだって危険な綱渡りさ。そう思うしかない。 感情がすべて。感情が生きがい。でも結局、男は単細胞の甘えん坊でしかないのか? 単細胞動物? この日、彼女は夢香姫から母性姫に変身した。見事だった。単細胞の甘えん坊を黙らせるためだ。 まるで感情の浄化装置だ。こうして私は本来の自分に戻った。よって、今日の“四字熟語”は甘えん坊にする。原田さんの命名である。 ところで、2人の友人からポストカードと手紙が共に速達で届いた。ありがとう。もう一つ湊君、君が提出した文章は今までの中で一番よかったよ。 私がフランソワ・トリュフォーの長編デビュー作の映画「大人はわかってくれない」のポストカードを送ったら、ビデオショップ屋に行き、その映画を見たんだよね。 そして、自分の少年時代をその映画の1主人公にダブらせて「ボクは少年院には行かなかった」という文章を書いた。 君はセンスがいい。谷賢とは大きな差がついた。谷賢、まずいよ。どうするの? もっと正直になれ。私みたいに自分の感情に正直になって、それを文章に全部叩きつけるのだ。 さらけ出すんだよ。エンターテイメントとして。わかった? あ、忘れていた。小山田君、誕生日プレゼントを郵便で送ってくれてありがとう。 ドラ・トーザン著「ドラが見つけた外国人の東京スタイル」は面白そうだ。これはいいよ。気に入った。 男はみんな甘えん坊になれ。でも、すべての世界には階級(ヒエラルキー)があることを忘れるな。女はいつだって男を格付けする人種だからだ。それはメスの本能でもある。 女の愛はいつだって「行きはよいよい帰りは怖い」のだ。よって、男は油断することなく男を磨くしかないのだ。 ターザンカフェより) |
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