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映画『ライフ・イズ・ミラクル』について。

映画を見に行って何がボクにとって一番の喜びかというと、それは凄い才能に出会うことである。才能によってしか観客を満足さすことはできないのだ。
これは映画に限らずあらゆるエンターテインメントに共通する原則である。映画『ライフ・イズ・ミラクル』はまさしく才能の塊といってもいい。
監督、脚本、製作、音楽を担当したエミール・クストリッツアは、とんでもないアーティストだ。ボクは彼が撮った『ジプシーのとき』『アリゾナ・ドリーム』『アンダーグラウンド』を見ていないのだ。
今回、初めて彼の映画を見たが驚きというか正直いってショックを受けた。これはボクもうかうかしていられないなと思った。
まだ『ライフ・イズ・ミラクル』を見ていない人は、今からでも遅くない。すぐに見に行って欲しい。銀座にある映画館、シネスイッチで上映している。
・全編、線路が出てくる。ボク的には単純に線路≠ェタイトルであってもいいと思った。
2時間半はあるが少しも長いとは感じさせない。とにかくドラマの後半部分、主人公2人の恋愛シーンが秀逸である。
現代人が失ってしまった恋愛感情(恋愛ではない)を見事にこの映画で描き出しているのだ。戦争という非常時における恋愛という特殊な状況であることは、たしかに割り引いて考える必要がある。
しかし相思相愛の恋愛感情の中には、どこかに日本語でいうところの道行(みちゆき。かけおち)の感情が含まれているのだ。それは別に死への旅路のことではない。
この映画の舞台には全編、線路が出てくる。ボク的には単純に線路≠ェタイトルであってもいいと思った。
この線路のイメージは重要である。ボクにはその線路が男女の道行をあらわしているように思えて仕方がないのだ。
いいからそのまま線路をどこまでも突き進めである。ボクは主人公の2人に向かってそう叫んでいた。
そういう抜きさしならない恋愛というのは、今はもう絶滅した感じさえある。だからボクはこの映画に実に新鮮な印象を持ったのだった。
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