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映画鑑賞について。

映画というのは自分なりのテーマ、答えを探し出すというのが大いなる楽しみになっているジャンルである。
すべてのテーマと答えは映画の中にあるのではなく、自分の中にあると思うのだ。
ここのところを勘違いしている人が実に多いのだ。ボクの中にひそかにひそんでいるテーマと答えを、映画がそれを引っ張り出してくれるのだ。そこに映画の役割と魅力とその存在理由があるのだ。
もう一つ映画を見る時の楽しみは、自分なりに好きなシーンを見つけることだ。「俺はあのシーンが好きだった…:と言えるようにしよう。この視覚的刺激、視覚的快感は重要だ。
映画『バッド・エデュケーション』。ボクは少年が大人たちの前で映画『ティファニーで朝食を』のテーマ曲ムーンリバー≠歌うシーンがある。あれはいい。抜群にいいのだ。
・やられたよ、この監督には。まいりました。それがいい映画を見たボクの答えでもあるのだ!
ムーンリバー
いつまでも忘れない
流れに身を任せて
汚れないよう
泥にまみれた流れに
連れ去られないよう
月の輝きと共に
見守っていておくれ
月の輝く川よ
どこへ流れていくの?
神様や善悪について
教えておくれ
汚れなき心を
どうか導いて
恐ろしい暗闇には
何が潜んでいるの?
それを見つけたら…
映画の中で少年が歌っていたムーンリバー≠フ詩が、パンフレットに載っていたので、その全文をここで掲載させてもらった。
少年が祖父から性的いやがらせを受けることがこの歌詞の中に暗示されているのだ。
「泥にまみれた」「見守っておくれ」「恐ろしい」「汚れないよう」「暗闇には」とその種の言葉が、いくつも散らばっているではないか?
ここでは少年が赤ずきんちゃんで大人が狼なのだ。少年よ、お前は食われるんじゃないぞという弱い弱い立場にある。
あるいは人の心の中には泥に汚れてしまった部分と、聖なるものと求める二つが常に同居しているのだ。
エロスとはつまりその境界線をさまよっている心のことをいうのだ。
あそこでムーンリバー≠使うか? ムーンリバー≠ニいったらボクたちはオードリー・ヘップバーンを思い出すんだよ。
やられたよ、この監督には。まいりました。それがいい映画を見たボクの答えでもあるのだ。証拠でもある。
要するに、映画とは素晴らしい才能に出会う喜びのことなのだ!
ターザンカフェより)
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