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グリズリー岩本さんのこと。

ある週刊誌から電話でグリズリー岩本さんの件について取材された。
ボクは彼女が女子レスラーだったことは知っているが、ダンプ松本とかと比べると印象が薄いのだ。
現役時代の彼女はほとんど何も知らないと言った方が正しい。
レスラーをやめてからはいろいろあって風俗関係の仕事をやっているという話は噂で聞いていた。
現在もその方面の仕事をされているそうである。ボクは風俗雑誌の連載をしていたことがあるので、風俗のことは少しぐらいは知っている。
そのことは別にしてもボクは、風俗も立派とはいわないが、それも一つの仕事であることにはかわりないと思っている。
また都会論になるが、そもそも都会は男に限らず現代では女の人も含めて、何も財産を持たないデラシネ(根無し草)が集まってくる世界なのだ。
文字通り存在は裸一貫である。個として完全に無産階級なわけだから、体ひとつで勝負していくしかない。
男の場合は腕を使うか、頭を使うか、体を使うか、三つの方法がある。腕を使うとは職人になることである。
頭を使うとは知的労働にたずさわること。体を使うとは肉体労働に従事することである。
ボクはグリズリー岩本さんが、風俗で働いていることについては否定しない。むしろ肯定派である。
女性の場合ももちろんこの三つの仕事が平等にチャンスとして与えられているのだ。都会はチャンスだけは前提として平等である必要がある。
もちろんこの不条理な世の中のこと、チャンス自体がすでに不平等であるということは、この際、それをいうと面倒臭くなるのでやめておこう。
女性が都会で働こうとした時、そこに風俗があるというのはボクはとてもいいことだと思うのだ。女の人には誤解されるかもしれないが、きわめて手っ取り早い仕事だからだ。
試験や資格はまったく必要ない。まさしくその意志さえあれば即仕事をすることができる。
都会はこうでなくてはだめだ。どうせ風俗店に遊びにくるお客も、彼女たちにとっては見知らぬ人なのだ。
田舎だったらそういうわけにはいかない。都会はそこがいいのだ。都会の利点は知らない者同士が無限大にいるということなのだ。
というわけでボクはグリズリー岩本さんが、風俗で働いていることについては否定しない。むしろ肯定派である。
たしか彼女はすでにこの仕事を始めて10年になっているはずだ。22歳で現役を引退しているので、年齢も30代の中ばぐらいか。
プロレスファンがお客として行っているというのもかわいい話である。いやあ、都会にはいろいろなことがある。それが都会なのだ。
ターザンカフェより)
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