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第29回 まさかあの夕鶴の世界を体験するとは夢にも思っていなかった

 思い出して見ると2度目の結婚はまるで寓話。おとぎ話のようだった。映画になるような不思議な体験。それは12月25日、クリスマスの日だった。大阪に住んでいたある女性。その時点で別に彼女でも恋人でもなかった。そういう意識は私にはなかった。ただ深夜、よく長電話していた。1ヶ月の電話代が10万円になったこともある。だって16歳も年齢が離れている。私が38でその人は22。あり得ない。ところが突然、その彼女から東京に行くから東京駅に迎えに来てと言って来た。それが後から考えるとクリスマスの日だったのだ。ほとんど何も考えずに私は呑気に東京駅に行った。

 まさかそれが家出だったとは予想だにしていない。そのまま東高円寺にあった私のアパートに彼女は転がり込んだ。そこは木造のアパート。トイレはあるが風呂付きではない。出入りもガラガラガラの扉。2階だったが八畳、一間。これはどう見ても20代前半の若い女の子にはふさわしくない世界。私的には恥ずかしい。気の毒。申し訳ない。そんな気持ちになるよな。野郎という独り身なら通用するが彼女となると完全にこの住まいは失格。それなのに何も文句を言わないのだ。要求もして来ない。おかしい。普通はもっと広いところ、風呂もあって大きな部屋に移ろうよと言うはず。

 日本の民話に「鶴の恩返し」がある。それを舞台劇にしたのが「夕鶴」。あれだよ。貧しい若者の家にある日、綺麗なお嬢さんが舞い込んで来る。私はそんな感覚になっていた。若者ではなかった。バツ1、すでに30代後半だった。見に余る出来事ということでは夕鶴の話と同じはず。表には出さなかったが内心、私は有頂天になっていたかも。ならない方がおかしい。こんな幸運は誰にでも起こることではない。どうしてそうなったんだろう? 今から考えるとこんな美しい話はない。向こうから一方的に飛び込んで来たのだ。そうだよ。本当に好きになったらそこまでしないとホンモノの愛とは言えない。いや、あれは好きとかそういうことではなかったかもしれない。そのへんのことは微妙だ。

 彼女はもしかすると実家から逃げ出したかった。その気持ちが家出という行為を決断させた。東京だったら高飛びしたことになる。関西から関東への大ジャンプなのだ。追及の手が伸びない。家出の裏にはそれがあったという推測も成り立つ。本当のことはわからない。わからなくていい。同棲生活といってもその実体はままごとみたいなもの。一体、私と彼女はどんな毎日を生活していたのだろうか? 朝になると私は三崎町にあるベースボール・マガジン社に出掛けていく。プロレス編集部がその仕事場だ。その間、彼女はアパートにいるわけだ。初めて来た東京に友達なんてひとりもいない。ホームシックにかからなかったのだろうか? 不安と孤独とさびしさに襲われても当然だったはず。

 だがそんな気配は彼女には微塵ももなかった。それとも私が無神経、無頓着、鈍感だったのだろうか。ウン、君はずっとここにいていいよと軽く考えていたのだ。(この項、続く)

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