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宝来寿司 |
ランチはあの立ち食い「栄寿司」に行かない? そんな誘いを急に受けた。あ、あそこはおいしいよな。
ネタが特別にいい。立石の仲見世商店街の入口の所にある。と思って大喜びしたらなんと今日は木曜日。
仲見世はお休みの日。ガクー。ショックだ。このショックは大きい。じゃあ「黒門」に変更。
焼き鳥丼にでもするか。アーケードのない北側の商店街を歩いていく。そこを左に曲がれば「黒門」だ。
ところでその前まで来た時、友人は「チョット待ってよ。たしか反対側の通りに寿司屋があった……」。
え? 君、立石の住人でもないのになぜ、そんなこと知ってるの。あれ、ホントに寿司屋があったよ。
そこは何回となく前を通ったのにまったくこれまで無視していた。だって人通りが少ないもん。
立石の駅からするとはずれ。ちょうど居酒屋「秀」の裏側にあたる。看板を見ると江戸前「宝来寿司」とある。
立石7丁目2の6か。中にはいってびっくりした。あれ、この店は相当な老舗じゃないか。
とりあえずカウンター席へ。テーブル席には二組。カウンターには60代の親父さんがひとり。
よし、上を注文だ。2人前ね。あれ、私の大好物、茶わん蒸しもあるんだ。じゃあ、それもね。
その時、私はそこのカミさんに聞いてみた。「ねえ、創業して何年になるんですか?」。
え? 70年? なんだ、オレ、まだ生まれてないよ。凄いなあ。立石はどんな店もはやらないと次々と新しい店に変わっていく街。
やたらとチェーン店が進出してくる。でも、その逆で昔ながらの店はそのまましつこくしぶとく残っている。
その古さと新しさが混在しているのだ。そこがまたいいんだよ。そんなことを考えていたらカウンターの親父が「オレ、この店、6歳の時から来ているんだよ」と私たちの話に割り込んできた。
あのね、それって失礼なことなんだよ。だいいちあんた、もう相当酔ってるじゃないか。
午後1時を過ぎてひとりでいる所をみると、おそらく家では娘や奥さんにまったく相手してもらえないんだろ。
だから自分の話を誰かに聞いて欲しい。こういう人間に限って一方的に自分の話しかしないんだよ。
それも酔ったせいか下ネタまでして。もう、くそ親父だ。とっとと消えろ。うせろだ。
店のカミさんだっていやがっているじゃないか。でも常連の客だから仕方ないって顔をしている。
60を過ぎてああなったら人間として最悪だ。下町の飲み屋に行くとそういう高齢者が多い。せっかくいい寿司屋さんを偶然、見つけたというのにとんだ災難だ。
カミさんは私のそんな気分を察してか「ウチのイカの塩辛を細巻きにしたものがおいしいのよ。ひとつ食べてみない。自家製だから……」。
ハイ、いただきます。これがまた辛くなくて甘い。女性的な塩辛を生まれて初めて食べた感じ。ありがとう。上寿司を食べたあと友人とニ、三トッピングした。
帰る時、「宝来寿司」のチラシを手にする。幕の内弁当。天重、うな重、特上ちらし、さらに宴席用料理もあった。
気に入った。気に入りました。あれ、ちり鍋、よせ鍋もあるの? このあと友人と「サンマルクカフェ」に行ってコーヒーを飲んだのだが、友人は私のことを立石のもぐりと言った。
一体、お前は何年、立石に住んでいるんだと。ハイ、1988年だから24年です。それでなぜ「宝来寿司」を知らなかったのかである。
それはいえるな。私は立石をくまなく知っているわけではない。まだはいったことがない店が山ほどある。
そっちの方が圧倒的に多い。いわゆる食わず嫌いというヤツかも。それにしても立石に住んでいない友人はハナが効くよな。
感心した。今日は彼に一本取られた格好。というわけでこの日の“四字熟語”は宝来寿司にする。
ターザンカフェより)
※本日、“今日のコラム”、“プロ格コラム”、“競馬西遊記”、“アジ語”の4本を更新いたしました。
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