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土曜逢引

 この日、その人が東京に遊びに来る。予定では午前10時頃だと言っていた。そうかでは錦糸町のWINSで馬券を買ったあと、彼女を東京駅に迎えに行こう。

 私はそういう段取りを立てていた。すると9時14分、ケイタイに電話が。え? なんだって今から車でそっちに行く?

 車? 新幹線じゃないの? 東京には昼頃に着く? あのうこっちは朝からすごく激しい雨が降っているのだ。

 いや、西も東も今日はどこも雨。それも普通の雨ではない。ガンガン降っている。ジャンジャン降っている。

 3時間違う。4時間はかかる。ウワー、久し振りに会えるのだからもっと早く来て欲しいなあ。

 朝一番の電車で来るとか。仕方がない。私は君がくるまで競馬をしているしかなかった。でも、いつものような集中力がなかった。

 気もそぞろに馬券を買っても当たるわけがない。そりゃそうだ。昼といってもいつになるのか? もう落ち着かない。

 まいったなあ。恋心と競馬。どっちが重要なんだ? そんなもん恋心に決まっているではないか(笑い)。

 午後2時4分、やっとその人から電話があった。今、中目黒まで来て駐車場(パーキング)を探しているという。

 高速の用賀を降りて中目黒にいるのか。2時。遅い。正直、待ちくたびれた。でも恋というのは結局、待つことなのだ。

 今回だって莫大な待ち時間があってやっと実現したこと。恋心は辛抱強いことをよしとする。

 そんなの今の時代ではまったくはやらないよね。その人、遠方より来たる。また楽しからずや。

 そこから電車に乗って秋葉原まで来てくれない? 私はそう伝えた。錦糸町から秋葉原に移動する。

 地下鉄・日比谷線の秋葉原の改札口でその人が出てくるのを待つ。中目黒からだと一本でこれる。

 そこでおよそ30分、待った。こない。東京は不案内だから迷っているのかも。改札口を出てくる人をチェックしたがだめだった。

 3時前、ケイタイが鳴った。どこにいるの? JR秋葉原駅の中? 地下鉄ではなく山手線を使ってきたのか。

 わかった。そこにじっとしていて。動いちゃだめだよ。私の方からそっちに行くから。

 ホッとした。ああ、もはや昼の3時なのだ。

 彼女は緑のレインコート姿で私の前に現れた。というよりも草色だよね。笑っている。緑のひと。緑色の笑顔。

 雑踏の中で再会をはたすというのは、刺激的な快感がある。その瞬間、ボクたちは“紅一点的存在”になっていたからだ。

 その時のボクの気持ちを音楽にたとえていうとモーツァルトの「トルコ行進曲」さ。表面上ははやる心を抑えて冷静をよそおっているが、内心はうれしくてうれしくて。

 あの曲は軍隊の行進曲ではない。恋心という名の行進曲。ウソだと思ったら「トルコ行進曲」を口ずさんでみたらいい。

 あのかぶさっていくテンポとリズム感。どうみても好きな人に会いに行く時の脳の内のドキドキ感を表している。

 一方、緑のキミは同じくモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」のメロディにのって登場。

 そう、ボクたちの再会は「トルコ行進曲」と「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」の遭遇だったのだ。

 土曜日の昼下がりの秋葉原の駅の構内をモーツァルトの二つの曲が占領したというわけだ。

 そうだ、これからはボクのことを「トルコ行進曲」と言って。君は「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」だ。決めた。

 ボクたちは存在が音楽さ。「トルコ行進曲」と「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」による口付けと抱擁。

 これからボクは君のことを“アイネ・クライネ”と呼ぶことにする。ウン、これはその人にぴったりだ。

 ところで今日、君は何が望み? ボクとのおしゃべり? 美術展? それとも食事? 映画?

 「朝、偶然、テレビを見ていたら上野でこの日から日本の美術館名品展をやっていると知ったの・・・」

 東京都美術館だよ。上野の丘は激しい雨が路面を叩きつけていた。水たまりを避けながら歩いて行く。

 人なんかはほとんどいない。いつもなら土曜日だし人でごった返しているのに。右にルーヴル展(国立西洋美術館)を見ながらさらに行って右に曲がると今、超人気の阿修羅展(東京国立博物館平成館)がある。

 そのどちらも無視してボクたちはななめ奥にある東京都美術館に行った。

 日本の地方の美術館が所有している自慢の絵や彫刻が展示されていた。もちろんゴッホ、ピカソ、シャガール、ミロ、ユトリロなどがあった。

 見終わったところで彼女は「これ、わたしからの誕生日プレゼントです」といって、マルク・シャガールの版画の画集とピエール・ボナールの「アンドレ・ボナール嬢の肖像」の絵をプレゼントしてくれた。

 この美術展のことについては別のところで書く。有楽町へ移動。映画「スラム・ドッグ$ミリオネア」を見るためだ。

 シャンテは2館上映していた。すでに5時の回は満席。6時15分の回も最前列しかなかった。

 6番と7番の並びの席をとる。上映までにまだ1時間ある。シャンテの前のビルの地下2階はレストラン街。例のオムライス専門店に行く。

 ボクは初めて見るお好み焼き風オムライスというのを注文。びっくりした。オムライスの上に“かつお節”がいっぱいのっていたのだ。

 うまい。これはいける。食事をしながらボクはアイネ・クライネとのデートトークを楽しんだ。

 映画は2時間。最前列で首をあげながらスクリーンを見上げる形で見た。なぜボクの友人たちがこの映画を絶賛していたのか、その理由が自分なりにわかった。

 近くにある喫茶「アマンド」でお茶する。抹茶ミルクがまたおいしかった。9時20分、「わたしそろそろ帰らないと・・・」と彼女はそう言った。

 JR有楽町のプラットホーム。彼女は山手線で渋谷へ。ボクは日暮里へ。緑のコートを着た彼女がすぐ向かいのホームに立っている。

 別れのシーンか・・・。こちら側のホームと向こう側のホームとの間には、決定的な壁がある。天の川? アイネ・クライネはもしかしてボクにとっては織姫?

 ボクの電車の方が先に来た。ずっと手を振り続けていた。電車が動き出す。消えた! 彼女が消えた。

 それもまた決定的現実である。アイネ・クライネは別れる時「とてもわたしにとって濃密な時間、1日でした・・・」と言った。

 違う。ボクたちは音楽家が曲を作るように、画家が絵を描くように作品を作ることはできない。

 それは芸術家の仕事である。でも、1日という時間を自分なりにデッサンし、デザインして充実して生きること。それが実はボクたちにとっての“芸術”なんだよ。わかった?

 それがボクからアイネ・クライネへのメッセージでもある。きのうボクに“スラムドッグ”のチケットをくれた友人に「ありがとう。映画、見たよ」と言ったら今すぐに日暮里で会おうという。

 11時までやっている立ち飲み屋で閉店まで飲んだ。彼とは2DAYSの前夜祭になった。ボクはこの映画のキーワードは“純愛”だと言った。

 現代における“純愛”とは何か? 純愛論についてもう徹底的に語った。11時10分、家に帰る途中で長野の「バックドロップ」のマスターから「今日の日記、見たよ」と電話があった。

 家に着いたら今度は午前0時になった時、「誕生日、おめでとう!」と電話をしてきた人がいた。

 彼は少し酔っていた。酔った勢いで電話してきたか(笑い)。彼もまた長野の人である。しばらく閉じたままになっていた長野の扉がここにきてやっと開いた。

 この日の“四字熟語”は上野逢引にする。

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