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友人から見た「実践文章講座」

・講座がはじまり、ひと月、ふた月が過ぎた。立ち読み君の活躍はめざましいものだった。いっしょだったバイト…。

ボクはアルバイト先のデスクの上に、一万円札を投げた。

置いたのではない。まるで捨て身のギャンブルに賭けるみたいに、投げたのである。横には立ち読み君(橋口君)がいた。宙を舞った札は、ターザン山本!さんの「実践文章講座」への参加を決めかねていた彼へのメッセージだった。

彼には受講料がなかったのだ。

こういう時、友だちならどうする? 応援の言葉は誰にでも言える。でもそれは空気のように、立ち読み君の耳をすり抜けていってしまうだろう。彼に必要なのは資金なのだ。

東京に来て、基本給八万円と原稿料で暮らしていたボクは、特攻精神で立ち読み君に一万円を貸した。男なら、自分だけ安全圏にいて友だちをはげますなんて、そんなかっこ悪いことはできないのだ。

講座がはじまり、ひと月、ふた月が過ぎた。立ち読み君の活躍はめざましいものだった。いっしょだったバイト先では、つねに山本さんの教えを読み解くために会話をした。カフェで、うどん屋で、とにかく「書くこと」について、まるで学生のように熱くしゃべったものだ。

その頃ボクはある雑誌に発表する小説を書いていた。その原稿を抱えながら、駆け出しの小説家として、伝えられることは伝えた。

創作を続けるかたわら、立ち読み君から山本さんの文章観を教えられるのも、じつにぜいたくな経験だった。 

年が明けて、立ち読み君が講座から卒業する日も近づいてきた。彼の書く文章は半年前とはまるで変わっていた。添削された原稿をボクの家まで持ってきて、

「同じ言葉は絶対続けてくり返してならないんだよね」

と彼は言った。その通り。よくそこまで成長したな!



次の日、渋谷で映画を観たあと、K談社の編集部から電話があった。

「小説の校了日だからこっちに来てください」

という。編集部に着くと、空いているデスクに印刷されたボクの原稿がある。

「同じページに『それは』という語が十ケ所くらいあるので、書き直してください」

なんと、編集者にボクはそう言われてしまったのだ。もはや笑うしかない。あまりに情けないミス。

ボクは続けて使用された語をこつこつと削り、あるいは別の語に置き換えていった。大変だったが、なぜか妙に楽しかった。

その時のボクは、文章を愛するただの男として、立ち読み君がターザン山本さん!の下で通り過ぎた時間をたしかに共有していたのである。

By 立ち読み君の友人代表のひとり



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